口呼吸が疲労の原因
疲労の原因の1つが口呼吸です。口呼吸は鼻呼吸と比較すると、 体への酸素供給量を減らしてしまうことから、 疲労、倦怠感、無気力などを引き起こします。
特に脳は全酸素供給量の20~25%を消費するため、 集中力や判断力などの認知機能の低下も招きます。
さらに、睡眠時に血中酸素濃度が低下すると覚醒反応を引き起こすことから熟睡できず、 起床時や朝の早い段階で疲労症状がでてしまうことも珍しくありません。
ここでは、疲労の原因「口呼吸」について、 口呼吸による影響、原因、治療方法について、紹介しています。
なぜ口呼吸が疲労の原因となるのか
口呼吸が疲労の原因となることは、既に医学的に証明されています。「口呼吸であっても鼻呼吸であっても同じ呼吸のため変わらないのでは?」と考えられるかもしれませんが、 口呼吸と鼻呼吸では、以下の様な違いがあります。
口呼吸がなぜ疲労の原因となるのか
■疲労との関連
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口呼吸が疲労の原因となるのは、酸素供給量の減少によるものです。
アメリカニュージャージーの歯科医Yoshジェファーソンはその著書の中で 「口呼吸によって酸素供給量が18%減少する」と述べており、 酸素が不足すると脳を始め多くの身体器官、細胞の活動が低下するため、 全身疲労、倦怠感、集中力低下、無気力などを引き起こします。
また、日中だけでなく睡眠中の口呼吸による低酸素症は、 睡眠障害の1つである中途覚醒(夜中に目が覚める)を引き起こし、 日中のさらなる疲労へとつながります。
疲労以外の症状
酸素供給量が減少するため、高血圧や心臓病の増加、頭痛、精神疲労などの症状も現れます。また、口呼吸は唾液を蒸発させてしまうことから、 唾液が持つ役割である「口内細菌の繁殖防止」、「エナメル質の保護」、「歯周病予防」といった役割が失われ、口臭や虫歯などの原因となります。
特に子供や性徴期においては、 成長障害や注意欠陥・多動性障害(ADHD)のほか、 骨の異常形成(アデノイド顔貌、不正咬合など)を引き起こします。
口呼吸によるその他症状
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口呼吸しているかどうかの確認方法
ご本人が気づきにくいケースには、 職場、家など環境による空気の汚れの違いや、 飲酒によるいびき、ある特定の時期からの習慣などです。
口呼吸しているかどうか確認するには、 意識的に口を閉じて呼吸できるか確認することです。
また、夜間のいびきなどご自身で確認できない場合、同居人による確認などが必要になります。
ただし、運動中はより多くの酸素を消費するため、口呼吸することは正常です。
口呼吸の原因
2012年にアメリカで出版された「小児歯科学の原則と実践」によると、 口呼吸の85%(著書や論文によっては90%以上とするケースもあり)は鼻の閉塞や鼻ずまりなどによる鼻の気道の狭さが原因で、 自分が望んでいないにも関わらず、口呼吸を強いられている、と述べています。その他、解剖学的原因や習慣なども口呼吸の原因になっています。
口呼吸の原因
■鼻づまり
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口呼吸の治療方法
口呼吸の治療はその原因にあった治療、対策が必要です。口呼吸の原因が不明な場合は、 原因として最も可能性の高い(口呼吸の85%)鼻詰まりの原因を知るため、 耳鼻科あるいは歯科医での診療が必要です。
ほとんどの耳鼻科では内視鏡を利用し、 普段見ることができない鼻腔や副鼻腔の状態を確認してもらえます。
鼻詰まりの原因が分かった場合、 医師と十分に話し合い、 花粉、ハウスダスト、食物アレルギーなど、 それら鼻詰まりを引き起こす元となる原因に対する対策を行います。
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