副腎疲労の症状

副腎疲労の症状

副腎疲労の症状
副腎疲労はそのステージに応じて、症状が変化します。

理由は、副腎の働きが活性化している時(抵抗期)と、 副腎の働きが低下している時(疲憊期)があるためです。

また、副腎から分泌されるコルチゾールは、 他のホルモンの働きを阻害するため、副腎疲労時には、 甲状腺疾患や更年期障害などと同じ症状が出ることもあります。

ここでは、副腎疲労の症状について、紹介しています。

副腎疲労全般、および、抵抗期や疲憊期については、 副腎疲労が疲労の原因をご参照下さい。

副腎疲労の症状
■疲労
  • 疲労
  • 体力減少
  • 体がだるい
  • ベッドから起き上がれない
■脳疲労
  • 無気力・無関心
  • 熱意の欠如
  • 集中できない
  • 明確な思考の困難
■不眠症
  • 眠れない(入眠困難)
  • 眠ってもすぐに目が覚める
  • 寝てもリフレッシュしない
■食の変化
  • 塩分を好む
  • コーヒーを好む
  • 脂肪分を好む
  • 甘いものを好む
■外見の変化
  • 体重減少(増加)
  • 脂肪増加
  • 筋肉減少
  • むくみ
  • 抜毛
  • 目の下の腫れ
  • 肌の乾燥
  • 皮膚の変色(色素沈着過剰)
  • 創傷治癒
■血流・血圧
  • 低血圧
  • 高血圧
  • 震え、動悸
■他の疾患と同じ症状
  • 低血糖症
  • 甲状腺機能の低下
  • 更年期障害
  • 男性版更年期障害(LOH)
■その他
  • 免疫力の低下
  • 太陽が眩しい
  • 頻尿
  • 冷え性
  • 性欲の低下
  • めまい
  • 骨粗しょう症
  • 体の痛み(関節、背中など)

疲労

副腎疲労の症状 疲労
副腎疲労の最も一般的な症状が疲労です。

この疲労症状は、副腎の機能が低下している時だけでなく、 ストレスに抵抗するため副腎の機能が活性化している場合でも現れます。

これら副腎疲労の疲労の原因は、 副腎そのもの以外に、副腎疲労がもたらす合併症によるものです。
具体的には、 「不眠症」、「甲状腺機能の低下」、「高血糖」、「低血圧」、「低血糖症」などです。

副腎疲労でなぜ疲労症状が現れるかの詳細については、 副腎疲労の症状【疲労】をご参照下さい。

脳疲労

副腎疲労の症状 脳疲労
副腎疲労が脳疲労や認知機能低下の原因となるのは、 「不眠症」とそれに伴う影響によるものです。

ストレスが長期化し、コルチゾールレベルの分泌過多が続くと、 「海馬の萎縮」、「脳細胞の減少」、「ニューロンの生成阻害」、「脳の早期老化」、 「無気力・無関心」、「アルツハイマー症の増加」、などを引き起こします。

2014年に公開されたアメリカ分子精神医学ジャーナルによると、 「慢性的なストレスや高コルチゾールは、通常よりも少ないニューロンをもたらす」と、 発表しています。

また、副腎が疲弊している患者は、 アドレナリンやノルアドレナリンの分泌が低下することから、 熱意を失い、無気力、無関心、不安が増大することなどが報告されています。

その他、慢性的なストレスとコルチゾールレベルの上昇は、 海馬の萎縮、高齢者の認知症につながることが知られています。

不眠症

副腎疲労の症状 不眠症
不眠症も副腎疲労の典型的な症状の1つです。

この不眠症は、副腎機能が活性化している時(コルチゾール過多)と、 副腎機能が疲弊している時(コルチゾール低下)の両方で現れます。

副腎はストレスの多い環境下で、 それらに対抗できる様、副腎の働きを活性化し、 身体と脳の興奮状態をもたらします。
この興奮状態が入眠を困難にし、良質な睡眠を妨げます。

反対に、コルチゾールレベルが低下している時の典型的な症状が「低血糖症」です。
低血糖症は、熟睡に必要な血糖値を維持できないことから、 夜中に何度もおきてしまう中途覚醒を促し、 熟睡を妨げます。 その結果、「寝てもリフレッシュしない」、「頭がボーっとする」、などの疲労症状が現れます。

食の変化

副腎疲労の症状 食の変化
副腎疲労時には、塩分、甘味、コーヒーなどを渇望するようになります。

理由は副腎皮質から分泌されるアルドステロン、コルチゾール、アドレナリンなど、 ホルモンの影響によるものです。

副腎疲労による食生活の変化については、 副腎疲労と食の変化(塩・甘味・コーヒー)をご参照下さい。

外見の変化

副腎疲労の症状 外見の変化
ストレスに抵抗しようと、副腎の機能が活性化している時には、 コルチゾールにより脂肪分解が促進されるにも関わらず、 体重が増加します。

理由は、ストレスを緩和するため、高カロリー食(甘いものや脂肪分)を欲することと、 高コルチゾールによりインスリンの働きが弱まり、満腹中枢が機能しなくなるためです。
(※ただし、これら食事の変化がない場合は、むしろ痩せる場合もあります。)

いくつかの研究によると、 高すぎるコルチゾールは脂肪を腹部により定着させやすいという結果が存在しています。 これは、慢性的にコルチゾールレベルが高いと、 タンパク質の分解(筋力の低下)を引き起こすためです。

そのため、 高コルチゾールを原因とする難病クッシング症候群では、 手足が痩せているにもかかわらず、顔や腹部のみが肥満化する症状を特徴とします。

血流・血圧

副腎疲労の症状 血流・血圧
ストレスに対抗しようとする時、 副腎の機能を活性化し、 血糖値や血圧を上げるのが、アドレナリンやコルチゾールです。

しかし、ストレス状態が長く続くと、 慢性的な血糖値の上昇をもたらし、 血流が悪化します。

反対に、副腎の機能が低下している時は、 必要なアドレナリンやコルチゾールを作ることができず、 低血圧、低血糖症が見られます。

他の疾患

副腎疲労の症状 他の疾患
コルチゾールの分泌異常は、 甲状腺ホルモン、インスリン、エストロゲン、テストステロンなど、 多くのホルモンの働きを阻害します。

その結果、それら臓器やホルモンには異常がないにも関わらず、 甲状腺疾患、インスリン感受性の低下、 ほてりなどの更年期障害、男性版更年期障害などの症状が現れます。

その他

副腎疲労の症状 その他
コルチゾールの働きの1つが免疫応答です。

副腎が疲弊し、コルチゾールレベルが低下している時、 ウィルスやアレルギーへの抵抗力が低下します。

炎症やアトピー性皮膚炎の治療に、 ステロイド外用薬として、コルチゾール(成分名ヒドロコルチゾン)が利用されるのも、 この免疫応答の特性によるものです。

また、副腎機能が低下している場合、 太陽を非常に眩しく感じます。 理由は、アルドステロンの分泌が低下し、ナトリウム不足、カリウム過多の症状を引き起こし、 目の瞳孔が光への応答に対して弱まり、本来閉じるはずの瞳孔を適切に閉じれなくなるためです。

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