疲れが取れないのは食べ物が原因
体の疲れが取れないのは、食べ物が原因かもしれません。「運動」、「睡眠」、「バランスの取れた食事」は疲労回復の3大栄養素と考えられているものの、 人によってはこの「バランスの取れた食事」が疲労の原因になることがあります。
ここでは、疲れが取れない原因のうち、食べ物に焦点を当て、 なぜバランスの取れた食事をしているにも関わらず疲労が回復しないのかについて、 紹介しています。
なぜ食べ物が疲労の原因に?
食べ物が疲労の原因になる理由は、3つに分類されます。
「栄養不足」、「栄養過多」、「相性(広義の不耐症)」です。
栄養不足や栄養過多はご自身で気づくことが多いものの、 「食べ物との相性(広義の不耐症)」は、ご自身ではなかなか気づきにくくなっています。
特に、栄養バランスの良い食事をとっているにも関わらず、疲れが取れない原因は、 「特定の食べ物とご自身の相性」が原因かもしれません。
特定の食べ物を受け付けない病気
ご自身の体質が特定の栄養素を受けつけず、疲労症状などを発症する病気が3種類あります。「セリアック病」、「遅延型食物アレルギー」、「食物不耐症」です。
食事が原因となる病気
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食べ物が原因となる病気は本人がほとんど気づかない
「セリアック病」、「遅延型食物アレルギー」、「食物不耐症」のような 食事が原因となる病気は、「ご自身が病気であることにほとんど気づいていない」ことが特徴です。セリアック病を例にとっても、全国に0.6~1%(100~166人に1人)程度存在するにも関わらず、 実際にご自身がセリアック病だと気づいている人は僅か17%に過ぎず(アメリカのある医療機関の調査)、 残りの83%はご自身がセリアック病だと気づいていません。
また、遅延型食物アレルギー検査を受けた人の多くは、 「まさか自分にアレルギーがあるとは思わなかった」 「疲労症状は体質だと思っていた」など、アレルギー検査の結果に驚きます。
それぞれの病気の特徴
セリアック病
セリアック病とは、「グルテン(小麦に水を加えてできる成分)を摂取すると、 小腸が敵が侵入して来たと勘違いし、 自らの小腸を傷つけてしまう自己免疫疾患」です。セリアック病は小腸を傷つけてしまうため、小腸から栄養を吸収できず、 栄養不足を引き起こし、 「疲労」、「易疲労」、「体がだるい」、「慢性疲労」などの症状を伴います。
セリアック病の詳細については、 セリアック病・小麦が疲労の原因をご参照下さい。
遅延型食物アレルギー
遅延型食物アレルギーは、本人でも気づきにくい疲労の原因の1つです。理由は、 よく知られる食物アレルギー(即時型)とは異なり、
- その存在自体があまり知られていない
- 遅れて発症する(名称の由来)
- 即時型のアレルギー検査(igE検査)では陽性とならない
そのため、人によっては、「私は虚弱体質だ」、「体調不良の日が多い」などと勘違いしたまま、 何十年も気づかずに過ごします。
遅延型食物アレルギー検査(igG検査)で、遅延型食物アレルギーであることが分かった人は、 そのほとんどがご自身の症状(疲労を始め150種類)と遅延型食物アレルギーの関連を想像することすらできなかった、と言います。
遅延型食物アレルギーについては、 遅延型食物アレルギーが疲労の原因をご参照下さい。
食物不耐症
食物不耐症とは、「非アレルギー性食物過敏症」ともいい、特定の食物を消化することが困難な病気です。有症率は20%(5人に1人)程度で、先天性・後天性の両方があります。
人は食べ物をエネルギーに変えるため、消化、吸収、分解・合成など一連の代謝を必要としますが、 この代謝に必要な「酵素」が食べ物ごとに決まっています。
身近な例ですと、 アルコールを分解するアルコール脱水素酵素(ADH)、 脂肪酸を分解するホスホリパーゼ、 乳糖を分解するラクトースなどです。
この酵素が欠落しているため、 食物不耐症患者は特定の食べ物を消化できません。
一方、身体はそれを消化あるいは排除しようと膨大なエネルギーを消費します。
場合によっては睡眠中も消化あるいは排除のため、身体はエネルギーを消費し、 このエネルギーの浪費によって疲労感につながるのでは、と推測されています。
食物不耐症については、 疲労の原因「食物不耐症」とはをご参照下さい。
高グリセミック指数食品は誰でも疲労の原因に
高グリセミック指数食品は上記3つの病気「セリアック病」、「遅延型食物アレルギー」、「食物不耐症」とは異なり、 食べ物そのもの(本人の体質は関係なし)が疲労の原因となります。多くの日本人にとってお米は主食であり、体の重要なエネルギー源です。 しかし、白米の炭水化物は一気に血糖値の変動をもたらします。 この血糖値の急激な上昇は、反動により低血糖を引き起こします。
その結果、疲労症状を引き起こします。
高グリセミック指数食品による血糖値の急激な上昇とその後の下落は一時的です。
しかし、このような食生活が習慣化すると、インスリンが常に過剰に分泌されるようになり、 その結果、低血糖状態と疲労が慢性化していきます。
高グリセミック指数食品については、 疲労の原因「高グリセミック指数食品」を避けるをご参照下さい。
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