ビタミンCの疲労回復効果

ビタミンCの疲労回復効果

ビタミンCの疲労回復効果
ビタミンCは疲労回復に効果があります。
ビタミンCは、酸化防止による美容効果や免疫機能強化による病気予防効果などが広く知られていますが、 疲労にも効果があります。

理由はビタミンCがストレス抵抗性を高めたり、血流悪化を防止したり、 疲労回復に効果のある他の栄養素の吸収を大幅にアップさせる効果があるためです。

ここでは、疲労回復の視点から、 なぜビタミンCが疲労回復に効果があるのか、 一日の必要摂取量、不足しがちな人、効果的な摂取方法などについて、紹介しています。

他の疲労回復効果のある栄養素・サプリメントについては、 疲労回復サプリメント一覧とその効果をご参照下さい。

ビタミンCはなぜ疲労に効果があるのか

ビタミンCが疲労回復に効果があるのは、主に4つの効能によるものです。

分類 効果
副腎の働きを促進
  • 副腎疲労の予防・回復
  • ストレス抵抗性を高める、ストレス緩和
血流悪化の予防
  • 貧血予防・防止
他の疲労回復に効果のある栄養素の吸収を高める
  • 鉄分
  • マグネシウム
  • カルニチン
その他
  • 脂質をエネルギーに変える
  • 慢性疲労症候群など疲労を伴う疾患に効果がある
  • 抗酸化作用

副腎の働きを促進

副腎疲労が疲労の原因
副腎はストレスに対抗する臓器です。
具体的には、副腎はストレスに対して、副腎皮質ホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾール)を生成し、 身体がストレスに対抗できる状態を作り出します。

この副腎ホルモンの生成に役立つのがビタミンCです。
副腎ホルモン生成時、ビタミンCを大量に消費します。
そのため、いつでもストレスに対応できるよう、 副腎と脳下垂体には体内で最も多くのビタミンCが格納されていますが、 ビタミンCが欠乏すると、副腎ホルモンを十分に作れず、 ストレスに対抗する力が弱まります。
また、副腎疲労に悩む人は慢性的にビタミンCが枯渇しているため、 副腎疲労の回復にも役立ちます。

副腎疲労については、副腎疲労が疲労の原因をご参照下さい。

血流悪化の予防

脳疲労の回復方法
貧血による血流低下、酸素不足は疲労やだるさの原因の1つです。
特に脳への血流低下による酸素不足は、中枢性疲労(全身疲労、倦怠感、集中力低下、無気力など)を引き起こします。
ビタミンCは赤血球の生産を補助するとともに、鉄分の吸収を強化することで、貧血ひいては疲労を予防、防止します。

血流悪化の原因については、血流悪化が疲労の原因をご参照下さい。

他の疲労回復に効果のある栄養素の吸収を高める

ビタミンCは鉄分やマグネシウムなど、疲労回復に効果のある栄養素の吸収を補助します。
また、筋肉疲労だけでなく、中枢性疲労にも効果があるとされるカルニチンの生合成にビタミンCは欠かせません。

ビタミンCは特に鉄分の吸収促進効果が優れており、 野菜などに多く含まれる鉄分である非ヘム鉄は、体内吸収率が5~10%と著しく低いのですが、 ある研究によると、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収率が2.9倍に向上したとの報告があります。

その他 ビタミンCの疲労回復効果

極度の疲労状態で苦しむ疾患である慢性疲労症候群患者の多くはビタミンCが不足しています。
これはビタミンCの不足が慢性疲労症候群の原因であることにはならないものの、 ビタミンCの大量投与(ビタミンC点滴)によって、慢性疲労症候群の症状が緩和することが分かっています。

ビタミンCで疲労回復

ビタミンCの必要摂取量

ビタミンCと言えば野菜と果物です。
言い換えると、その他の食物にはほとんど含まれないため、 肉、魚、炭水化物中心の食事ではビタミンCが不足しがちになります。

必要摂取量(1日) 100mg/日
多く含まれる食品 ピーマン(赤)(100g) 170mg
パセリ(100g) 120mg
芽キャベツ(100g) 110mg
その他VCを多く含む食品 野菜全般、果物全般など
過剰症状 特になし

  • 健常人がビタミン C を過剰摂取しても消化管からの吸収率が低下し、尿中排泄量が増加することから、 ビタミン C は広い摂取範囲で安全と考えられています
  • 腎機能障害を有する人が数 g/日のビタミンCを摂取した場合、腎シュウ酸結石のリスクが高まります
  • 1日に3~4g のアスコルビン酸(ビタミンC)摂取により、下痢を認めた報告があります
参考:厚生労働省

ビタミンCを効果的に摂取するには

ビタミンCは水溶性ビタミンのため、水に溶けやすく加熱によりその効果が失われます。
しかし、温度はビタミンCを破壊する原因の1要素でしかなく、その他酸素、水、時間によっても失われます。

食事からビタミンCを摂取する場合、購入後すぐになるべく生のまま食べるとビタミンCを多く取ることができます。
サイエンス・テクノロジーに寄稿された60℃の温度での調理時間毎のビタミンC残存結果によると、 5分で概ね7~10%、15分で30~44%、30分で58~75%が失われる、という結果が出ています。

ビタミンC残存率
5分 15分 30分
100% 90~93% 56~70% 25~42%
60℃加熱調理時

ビタミンCが不足しがちな人

喫煙者はより多くのビタミンCを必要とします。
また、間接喫煙によってもビタミンCが破壊されます。

喫煙者はタバコの銘柄や本数によって異なるものの、少なくとも30~40%ビタミンCを多く摂取する必要があるとされ、 より詳細にはタバコ1本でおおよそ25mgのビタミンCを破壊するとも言われています。
脳科学の研究において、タバコを吸う家庭の子供は血中ビタミンC濃度が20%低いという統計結果もあるため、 受動喫煙者もより多くのビタミンCを摂取する必要があります。

経口摂取での吸収率

ビタミンCはその摂取量によって吸収率が変わります。
200mg/日までは吸収率が90%と非常に高いものの、それ以上になると50%に低下します。
また1,000mg以上の大量投与では、わずか16%しか吸収されなかった、という報告もあります。
そのため、なるべく1回あたりの摂取量を200mg以下とし、 できるだけ複数回に渡って摂取することでより疲労回復効果を高めることができます。


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