疲労とは
疲労とは人生において誰もが経験する症状であり、 休息を必要とし、休息によって回復するのが一般的です。しかし、疲労の種類や状態によっては、以下のような症状が出ることがあります。
「休息や睡眠をしっかり取っても回復しない。」、 「お昼過ぎには既に疲れている。」、 「ひどい日は、朝起きて既にクタクタ。」、 「ベッドから起きれない。」
疲労は誰もが経験する症状ゆえ軽く見られ放置されがちですが、 他の重度疾患の症状であったり、逆に疲労が発展して重病になることもあります。
ここでは、疲労とは何かを中心に、疲労に関する情報について紹介しています。
また、疲労の具体的な回復方法を探す場合、 疲労の分類別回復方法、 疲労症状の種類と回復方法、 疲労の原因を探る~生活・症状~などをご参照下さい。
疲労の定義 4つの見方
疲労は人や見方によって様々な解釈があるものの、 「身体からのサインである」と言われています。 それは肉体的なサインだけでなく、精神的なサインでもあります。疲労の定義 4つの見方
|
|
疲労とはエネルギーの欠如
人間が行動を起こすにはエネルギーが必要です。しかし、疲労状態にあると行動や活動を起こすことができません。
それは眠気、思考力の低下、集中力の欠如、無気力感という形で現れます。 それ故疲労は行動を起こすエネルギーが欠如している状態と定義されます。
疲労とは身体活動の低下状態
疲労は医学用語では、「仕事や生活など活動達成のための能力が低下した状態」、とされています。エネルギーの欠如により、新たな活動を起こすことが難しいだけでなく、 活動を継続することも難しい状態です。
それは一時的、あるいは、慢性的に、以前と同じ活動をすることが困難であることを示します。 一時的であれば急性疲労、慢性的であれば慢性疲労と呼ばれます。
疲労とはモティベーションを奪う
人は食べたり、飲んだり、寝たり、など生きるための活動である生理的要求や、 好奇心、興味、関心によってもたらされる社会的動機付けに対して行動する場合に、 エネルギーを必要とします。疲労とはそれら行動の元となるモティベーションが奪われた状態です。 無気力、無関心、やる気などは本人の問題と捉えられがちですが、疲労状態の典型例と言えます。 精神的ストレスによる疲労は精神疲労・精神的ストレスをご参照下さい。
疲労とは病気のサイン
多くの人がより身近に感じる疲労は、通常休息を取ることによって回復します。しかし、その疲労感が次の日にも残ったり、長期間続くことがあります。
疲労が症状や期間において、通常の疲労感を超えたとき、 何かが間違っているという身体からのサインです。
多くの人は痛みに注意を払い、痛みが起きるとすぐに病院に駆け込むものの、 疲労にはそれほど注意を払うことはありません。
しかし、疲労や疲労を伴う病気は非常にゆっくりと進行し、私たちも気づかないうちに悪化します。
例えば、疲労が蓄積すると、身体の免疫機能が低下し、様々な感染症にかかりやすくなるだけでなく、 うつ病などの精神疾患にかかることもあり、疲労は早期対応、早期回復が最も重要になります。
疲労を伴う病気については、疲労症状が出る病気一覧をご参照下さい。
疲労と眠気の違い
疲労と眠気の違い
疲労 | 眠気 |
|
|
疲労と眠気は密接な関係があるものの、明らかに異なるものです。
ある説では、眠気と疲労の違いはその根源の違いとされています。
眠気は眠りたいという欲求により生じ、 疲労は精神・肉体のエネルギー不足から生じるとされています。
またある説では、眠気と疲労の違いはその期間の違いとされています。
眠気は一時的であり、疲労は眠気と比較すると期間が長く、慢性的であるとされています。
眠気と疲労は症状、原因、回復方法などひとつひとつを精査していくと、 多くの共通点があるものの、明らかに異なっています。 しかし、疲労も睡眠も問題に対して適切な対処がない場合、改善されることはありません。
また、睡眠が疲労の原因となることも珍しくありません。
睡眠の質、不眠症解消については、不眠症解消方法一覧をご参照下さい。
疲労の別名(広義の疲労状態)
疲労の別名
|
|
|
疲労は別名、倦怠感、体のだるさと言い換えられることが多く、 単なる疲労よりも重度の疲れを表す場合には、これらの用語の方が、より適切になることがあります。
また、肉体疲労だけでなく、精神疲労や脳疲労を適切に表現する語彙である無気力、無関心、集中力の低下なども疲労と同義になります。 脳疲労については、脳疲労とその回復方法をご参照下さい。
疲労人口
疲労は多くの人が経験する症状で、世界中の成人のおよそ20%の人が永続的な疲労を感じていると言われています。また、別の専門家によると、全世界の10%は日常生活に支障をきたすほどの疲労を感じているという統計もあります。
参考:政府統計
日本でも疲労に関する統計を総務省がおこなっており、 全就労人口の72%は疲れを感じているという結果があります。
各統計の結果によると、以下のような会社員ほど、疲れを感じやすくなっています。
- 実働時間が長くなるにつれて疲れを感じやすく、12時間を超えると87%の人が疲れを感じる。
- 睡眠時間が5時間未満だと83%が疲労を感じ、睡眠時間が8時間以上だと65%が疲労を感じる。
睡眠時間が3時間違うと、18%も疲労が増加する。 - 通勤は疲労に影響し、通勤時間が2時間を超えると94%の人が疲労を感じる。
- 深夜勤務がある仕事はより疲れを感じやすい。
疲労が続くと
疲労とは、肉体的あるいは精神的に自分の許容量を超えたため、 回復のための休息を必要としている状態です。「疲労」は、「痛み」、「発熱」と並んで生体の3大アラームと言われ、 身体にとって生命と健康を維持するための重要な信号であり、 疲労を発症することは、痛みや熱と同じ、健康に対する危険信号と言えます。
参考:疲労(wiki)
しかし、「休息によって回復する生理的疲労」と、「疾患の原因・症状である病的疲労」、「生活習慣の誤りによる慢性疲労」、に初期症状の大きな違いはないため、多くの人が単なる疲労とみなしてしまうことがほとんどです。
特に休息しても消えない疲れは重大な疾患の可能性、あるいは、重大な疾患につながる可能性があり、 早期発見、早期治療が必要です。
疲労を伴う病気については、疲労症状を伴う病気一覧をご参照下さい。
疲労とは何か 先頭へ |
関連ページ |
メニュー・目次一覧へ |