脳疲労回復サプリメントとその効果
脳疲労の回復に役立つサプリメントがいくつか存在します。脳疲労を回復するサプリメントには、 即効性という意味では脳疲労回復の他の方法に劣るものの、 記憶力、集中力、判断力の向上に寄与するもの、 また、脳の劣化を防止したり、 成長させることで、脳の基礎能力を維持・向上させるものなどいくつかの種類があります。
ここでは、脳疲労回復方法のうち、 サプリメントに特化して紹介しています。
脳疲労のサプリメント以外での回復方法については、 脳疲労と回復方法 をご参照下さい。また、脳疲労のうち記憶力や集中力など認知機能の改善ではなく、 やる気の向上や無気力の改善など精神疲労の回復に効果のある栄養素については、 精神疲労回復サプリメント をご参照下さい。
脳疲労回復サプリメント一覧とその効果
脳疲労を回復するサプリメントには、主に記憶力や集中力を高める効果のある栄養素と、 脳そのものの成長を促すサプリメントの2種類があります。
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マグネシウム
北京の清華大学が発表した研究によると、 高容量のマグネシウム摂取により、 記憶力改善の大きな向上に寄与した、と発表しています。
また、マグネシウムは脳の記憶や神経細胞に大きく関わるNMDA受容体において、 マグネシウムブロックという働きを行っています。
ショウジョウバエの研究から、 このマグネシウムの働きが長期記憶の維持に貢献していることが明らかにされており、 マグネシウムはアルツハイマーなど記憶力低下の改善にも効果があるサプリメントとされています。
Lアルギニン
Lアルギニンは脳内で一酸化窒素(NO)ガスに変化し、 学習と記憶に関与する伝達物質として働きます。
また、ハーバード大学医学部によると、 血圧を低下させることは、脳への血流量を増やす有益な方法であるとしており、 この血圧を下げる栄養素の一つとして、Lアルギニンは非常に有益であると述べています。
その他、Lアルギニンは、一酸化窒素(NO)の前駆体(元となる物質)であることから、 成長ホルモンの分泌を増加させることで、脳疲労だけでなく、身体の疲労回復にも大きな効果があります。
Lアルギニンのサプリメントは、Lアルギニン単体で販売される場合と、 一酸化窒素(NO)の生成に役立つシトルリンを配合した形で販売されることが多くなっています。
成長ホルモンによる疲労回復効果については、成長ホルモンで疲労回復を、また、Lアルギニンの効果については、Lアルギニンの疲労回復効果をご参照下さい。
チロシン
チロシンのサプリメント摂取により、 マルチタスクで劣化する記憶力や集中力の維持・改善に効果があることが見出されました。
その他、チロシンは脳の神経伝達物質であり、やる気の元となるエピネフリン、 ノルエピネフリン、ドーパミンを作るために不可欠の栄養素であるばかりでなく、 チロシンの摂取量が少ないと、 甲状腺機能の低下によるやる気や気力の低下を引き起こす可能性があります。
やる気や無気力など精神疲労回復のサプリメントについては、 精神疲労回復サプリメントをご参照下さい。 また、甲状腺機能低下による疲労とその回復については、 甲状腺機能低下症が疲労の原因をご参照下さい。
オメガ脂肪酸(アラキドン酸・DHA・EPA)
そのため、この脂肪が脳の機能や能力発揮に重要であることが分かっています。
とりわけ、オメガ脂肪酸(アラキドン酸・DHA・EPA)は子供の脳の発達に寄与するだけでなく、 大人の認知機能と行動機能に寄与します。
また、オメガ脂肪酸(アラキドン酸・DHA・EPA)は、 脳疲労だけでなく、体のだるさ、気分のむら、うつ、血行不良などにも効果があり、 広く疲労回復に貢献するサプリメントです。
魚を食べない人は、オメガ脂肪酸の一日必要推奨量を満たすことが難しいため、 欧米では、オメガ脂肪酸のサプリメントが広く普及しています。
イチョウ葉
イチョウ葉は脳への血流も改善することによって、 アルツハイマーなどの疾患に効果があるだけでなく、 記憶や学習などの向上、うつ病などの症状を軽減してくれます。
また、イチョウ葉は脳だけでなく、 全身の血流を良くする働きがあるため、 脳疲労だけでなく、肩こりや冷え性にも効果があり、 イチョウ葉のサプリメントは欧米でも広く普及しています。
アセチルLカルニチン(ALC)
アセチルLカルニチンは脳疲労の回復に即効性はないものの、 アルツハイマーおよび認知症の原因物質とされるアミロイドβを破壊したり、 アセチルコリンの低下を防止し増やす働きもあります。
また、アセチルLカルニチンは、 コレステロール値の低下や、脂質代謝に寄与し、血流を良くする働きや、 やる気やの喪失、自閉症の原因の一つとされる脳由来神経栄養因子(BDNF)を増やしたり、 ノルアドレナリンやセロトニン量を増加させ、ストレスや精神疲労の回復にも効果があります。
ストレスや精神疲労に関する栄養素については、 精神疲労回復サプリメントをご参照下さい。 また、セロトニンと疲労については、 セロトニンを増やして疲労回復をご参照下さい。
タウリン
タウリンは脳内のアミノ酸の中では、2番目に多く存在し、 神経伝達、海馬の増強や安定化などに寄与しています。
2008年に発表された研究によると、 12歳という老齢のマウスにタウリンを毎日補給したところ、 脳内ニューロンの数を増加させ、 年齢依存による記憶の低下を防止する効果があった、と発表しています。
また、タウリンは、ストレスや睡眠の調整に関与するGABAやグリシンを活性化、相互作用するため、 間接的に睡眠の質を改善したり、精神疲労を回復する効果もあるとされています。
タウリンの疲労回復効果については、タウリンで疲労回復を、 また、睡眠に効果のあるサプリメントについては、 睡眠に効果のあるサプリメントをご参照下さい。
亜鉛
ストレスや記憶を司る海馬において、 神経細胞死の一因であるグルタミン酸興奮毒性から脳を守る機能を果たしています。
その他、アメリカの医学保健図書国立研究所によると、 子供の亜鉛不足は、学習能力の低下、無気力などにつながる恐れがあると指摘しています。
幼児は母体の亜鉛に依存するため、 妊婦や授乳中の亜鉛欠乏は、子どもの神経系における先天性異常につながってしまいます。
その他
いくつかの脳疲労や認知力強化に役立ついくつかの栄養素を複合したサプリメントも販売されており、 「頭がスッキリする」、「ボーっとする時間がなくなった」など、効果を得ているようです。脳疲労回復サプリメントとその効果 先頭へ |
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