遅延型食物アレルギーが疲労の原因

遅延型食物アレルギーが疲労の原因

遅延型食物アレルギーが疲労の原因
遅延型食物アレルギーは、本人でも気づきにくい疲労の原因の1つです。

遅延型食物アレルギーに気づかない理由は、 よく知られる食物アレルギー(即時型)とは異なり、 その存在自体があまり知られていないことと、 遅延型食物アレルギーの症状がその名の通り「遅れて発症する」からです。

そのため、人によっては、 「私は虚弱体質だ」、「体調不良の日が多い」などと勘違いしたまま、 何十年も気づかないこともあります。

ここでは遅延型食物アレルギーについて、 原因、症状、即時型食物アレルギーとの違い、治療方法などについて、紹介しています。

また、遅延型食物アレルギーとよく似た病気に「食物不耐症」や「セリアック病」があります。
食物不耐症については、食物不耐症が疲労の原因を、 また、セリアック病については、セリアック病・小麦が疲労の原因ご参照下さい。

遅延型食物アレルギーになぜ気づかないのか

遅延型食物アレルギーは、疲労を始め様々な症状が出る病気です。
にも関わらず、遅延型食物アレルギーは治療されず、放置されることが多くなっています。

遅延型食物アレルギーになぜ気づかないのか
  • 病名があまり知られていない
  • 症状が遅れて発症するため、本人でも気づきにくい
  • 症状が食物アレルギーとは異なる
  • 毎日口に入れる食べ物がアレルゲンの場合、症状が継続するため、そのような体質だと本人と周囲が誤解してしまう

遅延型食物アレルギーという病名を知っている人は、あまり多くありません。
理由は、食物アレルギー患者のほとんどが、即時型(すぐに症状が出る)食物アレルギー患者であり、 遅延型食物アレルギー患者数が相対的に少ないからです。

また、遅延型食物アレルギーの症状は150種類以上と多様で、かつ、重篤でないため、 ほとんどの場合、「単なる体調不良」、「症状に応じた病名(例:頭痛症状が出る場合は頭痛持ち)」など、 誤診されることが多いからです。

そして、小麦、米など、主食となる食べ物がアレルギー源の場合、 毎日継続して食べることから症状が出続け、本人も「疲れやすいのは体質だ」、 「無気力なのは性格だ」、「頭痛持ちで辛い」と諦めてしまったり、病気であることに気づかないことが多くなっています。

遅延型食物アレルギーの症状

遅延型食物アレルギーと、即時型食物アレルギーの症状の最大の違いは、 「遅れて発症する」ことと「重篤な症状は出にくい」ことです。

遅延型食物アレルギーの特徴
  • 食べ物を摂取してから、数時間~数日後に症状が現れる
  • 即時型ほど重篤な症状が出にくい


また、具体的な遅延型食物アレルギーの症状は非常に多く、 現在だけでも、150以上の症状が現れることが確認されています。

遅延型食物アレルギーの主な症状
中枢系 消化管系
  • 疲労感
  • 慢性疲労感
  • 体がだるい
  • 集中力欠如
  • 無気力
  • 頭痛(偏頭痛)
  • 膨満感
  • 下痢
  • 便秘
  • 胃痛
  • 腹痛
  • 胸焼け
  • 吐き気
精神系 その他
  • うつ病
  • 不安障害
  • 自閉症
  • 副腎疲労
  • アトピー性皮膚炎
  • 関節炎
  • 筋肉痛
  • 筋力低下
  • 体重増加
  • 目のくま
  • にきび
  • 口内炎
  • 不眠
  • 湿疹・掻痒
  • ぜんそく
  • 肩こり
  • など150以上


アレルギー検査で、 遅延型食物アレルギーであることが分かった人は、 そのほとんどがこれら症状と遅延型食物アレルギーの関連を想像することすらできなかった、と言います。

遅延型食物アレルギーであることが判明した人の回顧談
  • 時々吐き気があったが、胃が弱いと思っていた。
  • 慢性的に体がだるく、何をするのも億劫でそういう性格だと思っていた。
  • 病院での検査結果は関節痛だったので、関節痛の薬ばかり飲んでいた。
  • アトピー性皮膚炎だと思い込んで、ずっと皮膚科で治療していた。

アレルゲン一覧

遅延型食物アレルギーのアレルゲンとなるものは、即時型と同じです。

厚生労働省で食品表示が義務付けられている5品目、 および、表示が推奨されている19品目以外に、 おおよそ100種類(検査項目を90種類以上とする病院が多い)の食物アレルゲンが存在します。

アレルゲン一覧
■義務5品目
  • 乳製品
  • 小麦
  • そば
  • ピーナッツ
■推奨19品目
  • あわび
  • イカ
  • いくら
  • えび
  • オレンジ
  • カニ
  • キウイ
  • 牛肉
  • クルミ
  • さけ
  • さば
  • 大豆
  • 鶏肉
  • 豚肉
  • まつたけ
  • もも
  • やまいも
  • りんご
  • ゼラチン
■その他
  • 全部で90種類以上

遅延型食物アレルギーは誤診されやすい

遅延型食物アレルギーは食べ物を摂取後、数時間~数日かけて症状が現れること、 また、アレルゲンによっては毎日摂取することもあるため、 病院でも誤診が多くなっています。

「疲労感」は多くの人に発症する症状ですが、 遅延型食物アレルギーを知らない医師の場合、 単なる「体調不良」や、「疲れが溜まっている」などと診断されることが多くなっています。

また、症状が非常に多いため、 吐き気がするときは胃の不調、アトピーならアトピー性皮膚炎など、 症状を病名とする診断(対処療法)をされることが多々あります。

誤診の例
  • 疲労(体質)、虚弱体質、体調不良
  • アトピー性皮膚炎
  • 慢性頭痛
  • 胃の不調
  • 腸の不調
  • うつ病
  • その他現れた症状に応じた病名(150以上)

遅延型食物アレルギーの治療方法

遅延型食物アレルギーの原因に対する治療方法は、残念ながら見つかっていません。
しかし、アレルゲンとなる食品を食べない、口にしないことで、 各種症状の発現を抑えることができます。
そのため、アレルゲンとなる食品を見つけることが最も重要になります。

専門医での検査

遅延型食物アレルギーの専門医や総合病院など、 アレルギー検査を取り扱っている病院が多数存在します。

遅延型食物アレルギーの場合、即時型アレルギー反応:igEではなく、 遅延型アレルギー反応:igG検査で対象となる食品を発見することができます。

検査費用は、対象となる食品の数や病院によって異なるものの、 数品目の検査なら数千円、90種類以上なら十数万円程度です。

自宅での検査キット

最近は自宅で遅延型食物アレルギーかどうか、 自分でできる検査キットも販売されています(96品目対応)。
検査を利用した人の口コミ(良い・悪い)
  • 昔から食べていた食品がアレルゲンだったとは。もっと早く検査していれば良かった。
  • アトピーに悩まされていたが、遅延型食物アレルギーが原因だったと知り、受けて本当に良かった。
  • 体に良いと言われ積極的に摂取していた食材がアレルゲンでした。もっと早く検査していればよかった。
  • 大好きな食べ物がアレルゲンという結果にショックです。もう食べれないと思うと受けなければよかった。

主要8食べ物で試してみる

アメリカFDA(アメリカ食品医薬品局)によると、 食物アレルギーのおおよそ90%以上が8品目に集中しています。 100%判明する訳ではなく、また時間もかかるものの、この8品目を抜くことで、 「遅延型食物アレルギーかどうか」判断できるかもしれません。

8品目に他の食べ物が原因の疲労を考慮した9品目と、判別方法については、 食物アレルギーかも?と思ったら~まずは9品目をご参照下さい。

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