疲れが取れない原因
疲れが取れない原因は、 「生活習慣」、「身体(病気)」、「精神」のいずれかに問題があることを意味します。しかし、多くの人はご自身の疲れが取れない原因がわからず、 また、 人によっては、原因を知らずに疲れを取ろうとするため、 かえって症状が悪化する場合があります。
ここでは、疲れが取れない原因と、原因と回復方法を知るヒントについて、 紹介しています。
なぜ疲れが取れないのか
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疲労の原因がわからない
それは「食事・運動・睡眠など生活習慣の誤り」であったり、「病気など身体の異常」であったり、 「精神的・心理的不安」だったりします。
そして、これらの疲労の元となる原因は、 何百と存在するため、ご自身の疲労の原因を知ることは容易ではありません。
疲れの原因の1つであるセリアック病を例にとると、 全国に0.6~1%(100~166人に1人)程度存在するにも関わらず、 実際にご自身がセリアック病だと気づいている人は僅か17%に過ぎず(アメリカのある医療機関の調査)、 残りの83%はご自身がセリアック病だと気づいていません。
その結果、 セリアック病の唯一の回復方法である「脱小麦食」を実施できず、 知らず知らずのうち毎日の食事で小麦を食べ、 結果として疲れが取れないという症状に陥っています。
また、増加傾向にある副腎疲労についても、最近は知られつつあるものの、 「副腎疲労とうい病名すら知らなかった」、「副腎疲労だと気づかず、何十年も無駄にしてしまった」などという書き込みも多く見られます。
疲労の回復(解決)方法を知らない
疲れが取れない原因がわかっても、稀にその対処方法を知らない場合があります。例えば慢性疲労症候群の場合、 回復方法が知られる以前は明確な解決方法がありませんでした。
近年は国や医療機関の研究とインターネットの普及により、 慢性疲労症候群に効果のある「段階的運動療法」や「認知行動療法」が知られつつあります。
また、「血流の悪化」が疲れが取れない原因の場合、 運動習慣、お風呂、禁煙、節酒などいくつかの方法がありますが、 これらは一朝一夕では結果が出ません。
そのため、正しい解決(回復)方法を知っているにも関わらず、 その効果を確信できず、途中で止めてしまう場合もあります。
疲れを取るには正しい原因を知り、対処すること
疲れの原因が異なると、疲労回復方法は異なります。
一例を挙げると、 疲れの原因が「慢性疲労症候群」の場合、 疲労回復に良いとされる栄養素である「ビタミンB」を摂取しても疲労は回復しませんし、 質の良い睡眠を確保しても疲れは取れません。
一方、 疲れの原因が「ビタミンB不足」の場合、 適度な運動をしても疲れは取れませんし、 質の良い睡眠を確保しても疲れは取れません。
疲れの原因が「睡眠障害」の場合も同様です。
つまり、 疲れを取るには、その疲れの原因を知り、その原因にあった回復(治療)方法が必要です。
以下、疲れが取れない原因を6つに分け、いくつかの代表的な原因を紹介しています。
食事
食事が原因となる疲労は、大きく2種類存在します。「栄養不足による疲労」と「食事(そのもの)を原因とする疲労」です。
栄養不足によって疲れがとれない場合、 不足しやすい栄養素であるビタミンBや、 女性に多い鉄分不足などが代表的です。
また、食事(そのもの)を原因とする疲労は、 高グリセミック指数食品や コーヒーなど普段の食生活によるものと、 遅延型食物アレルギー、食物不耐症、セリアック病など不耐症・アレルギー、病気によるものに分類されます。
運動
運動は栄養、睡眠と並んで疲労の3大回復方法の一つです。運動不足が疲れが取れない原因かどうかを判断するには、 「1週間の運動回数が3~5回、かつ、1回の運動時間が概ね30分~60分」という、 基準を満たしているかで判断します。
これは、年齢や仕事内容(力仕事かデスクワークか)によって多少変動するものの、 この基準を満たしていない場合は、概ね運動不足です。
疲労の表現方法の1つに、「エネルギーが枯渇した状態」と言われますが、 運動はこのエネルギー量を増やすことができます。
また、運動は、 血流悪化による疲労、 成長ホルモンの分泌不足による疲労、 サルコペニア(筋肉量減少)、 慢性疲労症候群、 LOH症候群(男性更年期障害)、 ガン、肥満、糖尿病、うつ病など生活習慣病や病的疲労にも非常に効果の高い方法です。
睡眠
睡眠は「時間」を原因とする場合と、 睡眠の「質」を原因とする場合があります。睡眠時間を原因とする疲労に気づかないことは少ないものの、 忙しさにかまけておろそかにすることも少なくありません。
一方、 睡眠時無呼吸症候群や、いびき、歯ぎしりなど、 睡眠中に自覚のない睡眠障害による睡眠の質の低下は、 疲れが取れない原因です。
その他、概日リズム睡眠障害や交代勤務睡眠障害などの睡眠障害は、 生活環境による睡眠の質を低下させるだけでなく、ひどい場合は体の恒常性を破壊してしまいます。
病気
発熱、疲労、痛みは生体の3大アラームと言われるように、 様々な病気の症状として現れます。そのため、なかなか疲れが取れない原因が 実は病気であった、ということも少なくありません。
特に前日まで何も症状がなかったにも関わらず、 急な疲労はガンなど重篤な病気の可能性があります。
その他、 疲労症状を伴う主な病気には、 慢性疲労症候群、 副腎疲労、 低血糖症、 肝臓機能低下、 甲状腺機能低下症、 サルコペニア(筋肉量減少)、 女性の更年期障害、 多発性硬化症、うつ病、線維筋痛症、過敏性腸症候群など、 非常に多くの病気が存在します。
精神疲労・ストレス
精神的ストレスに気づかないことはほとんどありません。そのため、ストレスが疲れの原因の場合、その対処方法に誤りがあります。
これは、ストレスそのものよりも、 ストレスに対する対処法方法の理解の欠如、ご自身の性格、ストレスよりも仕事を優先する姿勢などが原因です。
仕事や学校など、逃げられない環境に置かれている場合でも、 様々なストレス解消方法があることを知り、 うまく対処することでストレスを貯めないことが解決へとつながります。
また、都会に住む人の場合、知らず知らずに 都会の喧騒によるイライラを貯めこんでいる場合もあります。
その他
悪い姿勢や、 日光障害なども疲れが取れない原因になります。また、疲れが取れない原因を疲労以外の症状から探す場合は、 疲労の原因を探る~生活・症状~をご参照下さい。
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