アルギニンの疲労回復効果
特にエネルギー不足による「身体疲労」、認知力低下などの「脳疲労」、不安や抑うつといった「精神疲労」に効果があります。
理由は加齢によって減少してしまう一酸化窒素をアルギニンが増やし、 一酸化窒素の増加によって様々な疲労回復効果が現れるからです。
ここではアルギニンの疲労回復、およびその他効果について、紹介しています。
アルギニンでなぜ疲労が回復するのか
アルギニンが疲労回復に効果がある理由
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成長ホルモンの分泌促進
アルギニンが成長ホルモンの分泌を促進する過程は完全に解明されているわけではないものの、 2002年2月のヨーロッパの内分泌学会によると、 「成長ホルモンの分泌を阻害するソマトスタチンをブロックすることによって、 成長ホルモンが増加するのでは」、と発表しています。
また、別の研究では、「加齢によって減少するポリアミン（成長因子、減少すると老化の原因となる）や、ヒスタミンがアルギニンと関与しているのでは」、と考えられています。
2011年6月版「神経科学紀要」に記載されたラットを使った実験によると、 アルギニンを投与した動物は、試験終了時に、成長ホルモンのより高いレベルを有していました。
しかし、2009年6月「基礎・臨床薬理」に掲載された実験では、 アルギニン注入による成長ホルモンの分泌に変化がなかった、と報告されており、 まだまだ、アルギニンと成長ホルモンの増加の関係は解明の追加・検証の余地があると考えられています。
運動との併用
運動とアルギニンの同時摂取は成長ホルモンの分泌を低下させる恐れがあります。アメリカのシラキュース大学で行われた実験によると、 アルギニン単独の摂取で、安静時成長ホルモンが100％以上増加しました。
一方、運動は300～500％成長ホルモンが増加したにも関わらず、 運動とアルギニンの併用では、200％しか成長ホルモンが増加しませんでした。
そのため、アルギニンはなるべく平時に服用することが望ましいとされています。
血流促進・脳の活性化
一酸化窒素は加齢とともに産出量が減少し、 一酸化窒素が減少すると、老化や病気の原因になってしまいます。
この一酸化窒素（NO）の働きの一つが血管拡張作用です。
一酸化窒素は血液を供給する動脈の平滑筋を弛緩させ、血流を促進します。 その結果、血流悪化による体のだるさ改善や、 脳への血流が増えることによる脳疲労回復、認知力の向上に効果があります。
また、アルギニンは血圧を低下させる効果があり、 ハーバード大学医学部によると、「血圧を低下させることは、脳への血流量を増やす有益な方法である」とされ、 脳疲労の回復に効果があります。
他の脳疲労回復方法については、 脳疲労と回復方法をご参照下さい。
血管の衰えは老化の始まりと言われますが、 一酸化窒素の産出量を増やすという行為を繰り返すと、血管が丈夫になり、 より一酸化窒素が産生されやすくなる、と考えられています。
不安・抑うつ
アルギニンはリジンと組み合わせることで、不安や抑うつを軽減する効果があります。2007年アメリカの雑誌「行動脳研究」に発表された内容によると、 アルギニンとリジンの組み合わせは、精神疲労の症状のうち、不安や抑うつを軽減するとしています。
アルギニンのその他の効果
アルギニンの疲労回復以外の効果
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勃起不全、男性不妊
アルギニンには勃起不全や男性不妊に効果があります。理由は、アルギニンの血流改善効果によるものです。
イギリスの泌尿器科国際ジャーナルで発表された研究によると、 Lアルギニンとプラセボを6週間与えられた男性のうち、 Lアルギニン与えられた男性の31％が性機能の大幅な改善を示しました。
この改善に効果があった男性は、 実験開始前に低い一酸化窒素レベルを有していましたが、試験の終了後、 一酸化窒素レベルが大幅に改善していました。
アルギニンは心理的要因、腎臓病、糖尿病などの勃起不全には効果は見られないものの、 血流の悪化や加齢による勃起不全に、アルギニンは効果があると考えられています。
血圧の低下
Lアルギニンは血圧を低下させる効果があります。アルギニンによる血圧の低下も、 アルギニンの血管拡張作用、血流促進効果によるものです。
この血圧の低下作用は糖尿病などの疾患を持つ人にも有益であるとされています。
他の血流促進効果のある栄養素については、 血流改善に効果のある食べ物・サプリをご参照下さい。
傷の治りを早める
アルギニンは外傷、骨折など、傷の治りを早めます。これはアルギニンの血流促進による酸素供給量、栄養補給量の増加以外に、 アルギニンがコラーゲンの沈着を増強させる効果があるためだと考えられています。
ラットを使った実験では、やけどしたラットにアルギニン添加食を与えたところ、 組織修復を早め、ポリアミン（成長因子、加齢によって減少）レベルを増加させました。
アルギニン 一日摂取量
アルギニンは必須アミノ酸ではありません。そのため、アルギニンの一日必要摂取量は定められていないものの、 アメリカでは2～8g程度とされています。
アルギニンは豚のコラーゲンやかつお節、大豆食品に多く含まれています。
そのため、欧米食が多い人は、摂取量が比較的少なくなりがちで、 実際のアメリカ成人の一日平均摂取量は4.4g程度しかありません。
また、30g以上の過剰摂取で下痢、胸焼け、膨満感などの副作用があることが報告されています。
アルギニンの副作用
アルギニンは子供、妊婦の服用には、医師への相談が必要です。その他、以下の症状を持つ人は副作用を起こす危険があります。
- 喘息
- 肝硬変を患う人
- 腎臓病
- 低血圧
アルギニン 市販サプリメント
アルギニン単体のサプリメントは個人輸入代行によるものが多いものの、 エビオス錠や国産のサプリメントにもアルギニンが含まれています。| アルギニンの疲労回復効果 先頭へ |
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