疲労の原因「高グリセミック指数食品」を避ける

疲労の原因「高グリセミック指数食品」を避ける

疲労の原因「高グリセミック指数食品」を避ける
高グリセミック指数食品は疲労の原因の一つです。

多くの日本人にとってお米は主食であり、体の重要なエネルギー源です。 しかし、白米の炭水化物は一気に血糖値の変動をもたらすという点では「悪い糖分」です。

一方、同じ糖分であっても果物は緩やかな血糖値の変動をもたらし、疲労にはつながらない「良い糖分」です。
この違いは一体何なのでしょうか。

ここでは、疲労の原因となる高グリセミック指数食品を中心に、 高グリセミック指数食品とは、なぜ疲労を引き起こすのか、 高グリセミック指数食品の例、低血糖による疲労を回避する方法などについて紹介しています。

高グリセミック指数食品とは

グリセミック指数とは、糖尿病を予防するために研究開発された概念です。
同じ質量の糖分を食べても、食べ物によって血糖値の上昇度合いは異なることから、 その度合いを数値化したものです。

具体的にはブドウ糖による血糖値の上昇度合いを基準値の100とし、 他の食品はブドウ糖との相対値で表されます。

この度合いは低・中・高の3段階があり、
低グリセミック指数食品は食べてもゆっくりとブドウ糖に変化するため、血糖値がそれほど変化せず、 心臓血管疾患、2型糖尿病、メタボリックシンドローム、脳卒中、うつ病、など様々な病気の予防に効果がある食べ物として推奨されています。

一方、高グリセミック指数食品は血糖値の急激な上昇と、反動による低血糖を引き起こし、 結果として疲労を含む様々な病気の原因になるとされています。

グリセミック指数
低グリセミック指数食品 中グリセミック指数食品 高グリセミック指数食品
55以下 56~69 70以上
  • 玄米(50/150g)
  • 牛乳(32/250ml)
  • スポンジケーキ(46/63g)
  • 穀物
  • フルーツ全般
    (100%ジュース含む)
  • 豆類
  • 野菜全般
  • コカコーラ(63/250ml)
  • パスタ(42~58/180g)
  • はちみつ(61/25g)
  • ケロッグ(69/30g)
  • 小麦食品
  • 白糖
  • じゃがいも(82/150g)
  • サツマイモ(70/150g)
  • フランスパン(95/30g)
  • 食パン(70~71/30g)
  • 白米(65~89/150g)
  • ワッフル(76/35g)
  • スイカ(72/120g)
  • チョコレート
  • 高糖度炭酸飲料
食品名(グリセミック指数/食品質量) 一部参考:ハーバード大学 医学部刊行物

なぜ高グリセミック指数食品が疲労を引き起こすのか

糖分と血糖値の具体的な解説は糖尿病などの専門サイト様に譲るとして、 高グリセミック指数食品は2つの意味で疲労を引き起こします。

急性疲労

疲労の原因「高グリセミック指数食品」の影響
炭水化物や糖分は、血糖値の変化をもたらしますが、
この血糖値の上昇が急激である場合、血糖値を抑えるためインスリンが必要以上に分泌されます。
過剰に分泌されたインスリンにより、血糖値は下がるだけでなく食事を取る以前の血糖値より下がってしまいます。

血糖値が低くなると、だるさや倦怠感と言った疲労や眠気を引き起こします。
低血糖症の人が疲労感に悩まされるのもこのためです。
(※低血糖症の症状や改善については、低血糖症をご参照下さい。)

慢性疲労

疲労の原因「高グリセミック指数食品」の影響2
これら高グリセミック指数食品による血糖値の急激な上昇とその後の下落は一時的です。
しかし、このような食生活が習慣化すると、インスリンが常に過剰に分泌されるようになります。
その結果、低血糖状態と疲労が慢性化していきます。

また、運動不足や生活習慣など他の要因が合わさることにより、 慢性疲労の原因となる低血糖症、糖尿病などの疾患につながることもあります。

甘いものは疲労回復に効果あり?

糖分などの甘いものは疲労回復に効果がある、と言われますが、
実は半分は正解で、半分は不正解です。
理由は同じ甘いものであっても、高グリセミック食品と低グリセミック食品では疲労に対する効果が異なるからです。

甘いものを欲する低血糖状態は疲労の原因の一つ

甘いものを欲するのは身体が低血糖になっているからなのですが、 この低血糖状態は疲労の原因の一つです。

そして、この低血糖状態を改善するには、 糖分を補給するのが最も素早く効果的です。
運動選手が競技前や競技後に糖分を摂取しますが、 糖分ほどエネルギー変換の効率性が良い食べ物はありません。

糖分はこの低血糖状態を改善することによって疲労を回復するだけでなく、 素早くエネルギーに変換されるため、体内の他のエネルギーが使われるのを防ぎ、疲労を防止します。

高グリセミック指数食品は効果が短すぎる

高グリセミック指数食品は効果が短すぎる
甘いもの、特に高グリセミック指数食品を摂取すると、一時的に血糖値が上昇し低血糖状態を修正するため、 疲労を回復します。
しかし、その有効期限は非常に短く、 30分をピークに血糖値は下落し始め、1.5~3時間後には元の血糖値より下落してしまいます。 (※個人の体質や食品に依存)。
そのため、糖分、特に高グリセミック指数食品は速攻かつ短時間の疲労回復には効果があると言えます。

高グリセミック指数食品は長期で見ればマイナス

高グリセミック指数食品を摂取すると、一時的に疲労は回復するものの、 数時間後には再び低血糖による倦怠感や疲労感が発生します。
また、高グリセミック指数食品による疲労回復に頼りすぎると、 上記のとおり、慢性疲労の原因となる低血糖症、糖尿病などの疾患につながることもあり、 長期でみればむしろマイナス要因の方が大きいと言えます。

同じ甘いものなら低グリセミック食品を

どうしても糖分が欲しい場合、低グリセミック食品なら疲労回復にも効果があり安心です。
低血糖状態を改善し、糖分によるエネルギー変換の効率性という良い部分を享受できながら、 効果の短さや長期的視野に立ったマイナスの側面を排除できます。

ただし、あとほんの少しだけ、今日だけと言った即効性と短期効率性の疲労回復を求める場合、 高グリセミック指数食品の方が効果が高いと言えます。

高グリセミックを食べながら血糖値の変動を抑える

疲労という点では、高グリセミック食品は悪い部分が目立ちますが、 高グリセミック指数食品は魅力的な食べ物が多く、どうしても食べたい場合もあると思われます。
高グリセミック食品による血糖値の上昇や下落を抑えるには、3つの方法が有効とされています。

空腹状態を避ける

高グリセミック指数食品は高タンパク質食品と一緒に摂取する
空腹は同じ食べ物を食べても、血糖値の急激な上昇を引き起こします。
そのため、サラダから食べ始めるなど、 高グリセミック指数食品と空腹状態を結び付けないことが大事です。

食べる順番のうち、高グリセミック食品はなるべく後に持ってくることで 血糖値の変動を抑えることができます。

タンパク質と一緒に摂取する

高グリセミック指数食品は高タンパク質食品と一緒に摂取する
高グリセミック指数食品単体でなく、タンパク質と一緒に摂取することで、 血糖値の変動を抑えることができます。

例えば食パンにチーズをのせたり、卵かけご飯にするだけでも効果があります。 ある実験において、50gのブドウ糖に0~30gのタンパク質および脂肪を付与したところ、 タンパク質は脂質の血糖値の上昇を抑え、3倍ものインスリンの発生を抑えました。

運動で体質を改善する

高グリセミック指数食品は運動で体質を改善する
定期的な運動によって血糖値の変動を抑えることができます。

そもそも高グリセミック食品によって低血糖状態になるのは、 インスリンの過剰分泌が原因なのですが、運動によって肥大化した筋肉は糖分をより多く蓄えることができ、 過剰なインスリンの放出を防いでくれます。


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